理想を言えば、建築外皮の熱性能は状況に応じて変化することがベストでしょう。たとえば、外気も室内も寒ければ断熱性が高まったり、室内が暑く外が涼しいのなら放熱性が高まったり、更に、外も内も暑ければ「汗」をかいたりするのが、理想でしょうか。
しかし、そんな夢想をしなくても、現実にリーズナブルな価格でかなり理想に近い、高い熱性能の外皮を入手することは、今や可能になっています(まだ「汗」をかくことはできませんが)。”Heat20”では、このような現実と現状を踏まえ、少しでも理想に近づくような情報発信をしていきたいと思っています。
現在、日本はCO2削減や節電という大きな課題を抱えています。政府のエネルギー環境会議の提案では、日本のエネルギー消費は、2030年までに2010年比で20%、削減することになっています。この20%削減をどのような方法で達成するのか、細部は不明です。しかし、住宅・建築の省エネ化(つまり、省エネ基準の義務化)が有力手法の一つとして提案されています。とくに、既存建物の改修も含め、住宅や小規模建築の高断熱化は必須であり、国民的課題であると言えます。このような国民的な課題に対して”Heat20”は大いに奮闘したいと考えています。
|